第121回大会のテーマ別シンポジウムT01 「樹木の成長と環境」の趣旨

 樹木の成長機構とその環境応答を理解することにより森林の機能と環境変動に対する応答への理解が深まります。光、水、養分、温度といった環境因子に対する応答性が生育場所を固定されている植物の成長や生存を大きく左右します。実験植物等で明らかとなってきた分子レベルでの成長機構や環境応答機構を参考にしながら、永年生で個体サイズが巨大になるという特徴をもつ樹木の成長の仕組みに関する研究が進められてきました。野外の成木個体から細胞・分子レベルまでを対象に、様々な手法で研究をしている人が集い、樹木の成長と環境応答についての理解を深め、研究分野や研究手法をこえた大きな討論の場を持ちたいという気持ちから第108回大会より継続してセッションを主催しています。

 第121回大会においても、ミニシンポジウムと部門別でのポスター発表を紹介するポスター紹介とからなる二部構成のシンポジウムを企画します。ミニシンポジウムでは「幹」に焦点を当て、その形成過程や機能維持に関する研究に携わっておられる方々に講演をして頂き、理解を深めたいと思います。講演者に木材学会会員の方を含めることによってこれまで以上に情報・意見交換の場が広がることを期待しています。第二部では、樹木の成長や環境応答に関する研究成果を部門別でポスター発表される方々に1分紹介をして頂き、研究分野や研究手法を越えた情報・意見交換の活性化を図りたいと考えています。

コ−ディネ−タ−:則定真利子(東京大学)、北尾光俊(森林総合研究所)、小島克己(東京大学)、斎藤秀之(北海道大学)、津山孝人(九州大学)、二村典宏(森林総合研究所)