第119回大会のテーマ別セッション T17「樹木の成長と環境」の趣旨

樹木の成長機構とその環境応答を理解することにより森林の機能と環境変動に対する応答への理解が深まります。光、水、養分、温度といった環境因子に対してどのような生理的・形態的反応をするかが生育場所を固定されている植物の個体あるいは種の維持を決定します。実験植物等で明らかとなってきた分子レベルでの成長機構や環境応答機構を参考にしながら、永年生で個体サイズが巨大になるという特徴をもつ樹木の成長の仕組みに関する研究が進められてきました。私たちは第108回大会より継続してセッション「樹木の環境適応とストレスフィジオロジー」を開催してきましたが、より広い分野にわたる研究者の間で情報と意見の交換をする場にしたいという気持ちから、セッション名を「樹木の成長と環境」と改めました。第119回大会ではポスター発表を中心に据え、口頭発表セッションではポスター発表者による研究内容の簡単な紹介とミニシンポジウム「光合成の環境応答」の開催を予定しています。ミニシンポジウムは、主題講演とご応募いただいた中から関連するもの数題の発表で構成し、光合成の環境応答に関する理解を深める場としたいと考えております。このセッションでは、野外の成木個体から細胞・分子レベルまでを対象に、様々な手法で研究をしている人にお集まり頂き、樹木の成長と環境応答についての理解を深めていきたいと考えています。特にこれまで他の会場で個別に報告されてきた方の報告や討議への参加を期待しています。昨年に引き続き、研究分野や研究手法をこえた大きな討論の場ができればと考えておりますので、奮ってご参集下さい。

コ−ディネ−タ−:則定真利子(東京大学)、北尾光俊(森林総合研究所)、小島克己(東京大学)、斎藤秀之(北海道大学)、津山孝人(九州大学)、二村典宏(森林総合研究所)